2014/09/24

行事で育つ力、一つの事例

週末の生徒祭では、私は「コンクール係」担当を拝命した。
これは、来場者に「よかったと思うグループ」を選んでもらい、投票結果を集計。そして表彰をするという生徒たちの取り組みをサポートをする仕事だ。
「生徒祭」で生徒が作成した投票用紙

行事が無事終了し、事後の振り返りでは、このコンクール係についての反省点がいくつか出た。
一番の問題点は、来場者に比べて投票率が低いという点だ。
3000人近い来場者があったのだが、投票は600人程度というお粗末な結果に。
そこで、どこが問題なのか、事後の会議で子どもたちが話し合うことになった。

・この投票用紙は「投票用紙」って小さく書いてあるだけだから、一目で見てもほかのチラシと紛れてわかりにくかったかもしれない。色紙とか使えばよかったかな?
・小学生とかには「ジャンル」っていう表現が難しい?
・係の生徒が投票箱をもって歩き回って票を集めていたんだけど、投票所を設置して固定したらどうだろう?
・筆記用具とかなかった人は投票できなかったんじゃないの?投票所に筆記用具を置こうよ。
・投票した人には、ごほうびにスタンプを押すとかは?(生徒祭の別の取り組みで「スタンプラリー
」をやってるので、そのラリーのポイントに加算するという意味)
……などなど。

やはり中学生なので、子どもたちの内輪の活動では、どうしても独りよがりというか、自分たちの予想通りにお客さんはうまく動いてくれるもんだと思い込んでしまっているふしがある。
だから、今回みたいに自分たちの意図と外れた結果が生まれたとき、たとえば、投票率が予想以上に低いという現実にぶち当たったときに、はじめて、自分たちの取り組みのまずさに気づくのだ。

生徒祭などの対外的な活動では、こうした「独りよがり」な自分たちの活動のまずさにいろいろなところで直面する。そして、相手の立場に立って、また、自分たちの意図やメッセージが伝わるようにするために、どうすればいいのかを真剣に考える機会が生まれる。
そこにこそ、日常の学校教育では学べない、学校行事の生み出す大きな学びの場があると感じている。

……投票率をあげようと試行錯誤した子どもたちは、将来、ひょっとしたらどこかの地方自治体で選挙管理委員会のような立場になっている人もいるかもしれない。企業でキャンペーンの企画を考える人になっているかもしれない、そのときに、この生徒祭の経験をちょっとだけでも思い出してくれたらいいなと思う。