2013/06/19

新聞記事における「事実と意見」

読むことの指導事項の中に「事実と意見を区別する」というものがある。
しかし、この「事実と意見」は、突き詰めると明確に分けることが難しい場合があり、やっかいだ。
意見や気持ちを明言している場合はわかりやすいのだが、一見客観性を装う文章、たとえば新聞記事などの場合、「何を記事として取り上げたか」という「話題の選択」や「記事の切り口」そのもののなかに、意見や見解などの「編集意図」があらわれる場合が多いのだ。
(たとえば、反原発のデモなどを全く取り上げない新聞社があった場合、多くの人はそこに明確な「メッセージ」があると感じる)
新聞の場合、たとえば次のような要素に「編集意図」が現れるのではないか。
・何を話題(事実)として取り上げたか
・新聞の何面に取り上げたか、記事の位置は?
・記事の文量、ボリュームは?
・写真や図、見出しから何が伝わってくるか?
・取り上げる事実の順番は?
・インタビュー記事の意図は?
・文体、語尾などは?
など、文章に現れた「事実と意見」だけでなく、新聞のメッセージはあらゆるところから垣間見えるものだ。