2013/03/09

うさんくさい研究の見分け方~魅力的な研究テーマの量産法~

さまざま研究テーマなり、本の背表紙をみたときに、本能的に「これはヤバイ」と感じてしまう研究テーマがある。
しかし、どうしたわけか、そういう「ヤバイ」研究テーマに多くの人が飛びつくのも現実だ。
そんな危険な(と言うと言い過ぎか)、うさんくさい研究テーマの立て方をいくつか分類してみた。
(まだあるかな? あったら教えてください)

郷愁法……過去に大事にされてきた方法を、現在に蘇らせる。
(例)
風邪を治すのはネギを首に巻くのが一番!
学力向上の切り札は、早寝早起き朝ご飯!
音読で学校を活性化する。

二項対立法……AかBかの図式に持ち込み、AさえあればBはいらないと主張する。
(例)
国語教育には文学はいらない。論理的思考力の育成だけで十分。
知識はいらない。学び方を教えるだけでいい。
系統的な学習はまやかし。体験的に学ばせるべき。
授業さえ面白ければ、生徒指導はいらない。

オカルト法……人間離れした不思議な「何か」があるかのように喧伝する。
(例)
魔法の学級経営テクニック
●●先生秘伝の説明文読解システム
タブレットは魔法の玉手箱

舶来法…横文字を並べてそれっぽく見せる。
(例)
「ファシリテーション」で国語の授業を蘇らせる
「コーチング」は生徒指導の切り札だ
「キー・コンピテンシー」で学校教育を変革する

まとめる。
なぜこれらの研究テーマがうさんくさく、危険と感じるか?
それは、タイトルに引きずられて、十分に研究が練られていない可能性が強く思われるからだ。
タイトルから「思考停止」の匂いがぷんぷんとするからだ。
(もちろん、タイトルが刺激的でも,なおかつ十分に練られている研究だったら評価に値する)
地に足がついた研究というものは、もっともっと地味で、ありきたりで、うだうだとしているものなのだ。
しかし、そんな研究内容では「いちげんさん」からは相手にされないから、ついインパクトのあるタイトルを付けたくなってしまう。
昨今の出版ラッシュの状況下で、軽薄短小なうさんくささを醸し出す本が加速度的に量産されているような気がする。
こんなことを感じるのは、わたしだけ?