2014/12/29

大公開! 私の修士論文成分表

来年一月に修士論文を提出する運びとなった。
三年間の集大成を取りあえずまとめられてほっとしている。
研究テーマは「中学校国語科における編集力を高める授業の開発」。
もうちょっと手直しをして、大学の先生からご指導を受けて、それからようやく完成となる。
まだ内容については公表できる段階にはないんだけど、「修士論文の成分表」ということで、研究の目的と、研究をするに当たって参考にした文献をご紹介したいと思う。

研究の目的
 本研究では、前章での課題を踏まえ、三つの目的を設定する。
 一つ目は、国語科で取り上げる編集力の要素や構造を具体的に解明するということである。
 そのために、今までに取り上げられてきた先行授業事例の検討を行うとともに、編集に関する文献研究と編集者への取材を行う。編集プロセスを取り上げた文献を検討したり、編集の現場に携わる編集者への調査を行ったりして、どのようなプロセスで編集が行われているか、どのような意識で編集をしているかを考察する。これらの検討から、編集力にはどのような諸要素が存在し、それらにはどのような関連がみられるか、また、どのような意識で編集が行われているかを明らかにしていく。
 二つ目は、中学校国語科において編集力を高める授業プランを開発し、実践することである。
 そして三つ目の目的は、編集力を高める授業において、学習者はどのように思考し、編集を学んでいるのか、その学びの姿をとらえることである。
 そのために、授業のなかでの学習者の編集プロセスを、パフォーマンス評価、感想コメントの記述、談話分析など様々な方法でとらえて検討することとした。これらの検討により、学習者がどのように編集をしていくか、そのプロセスを明らかにしていくことにした。
 以上、三つの研究目的を解明することを通して、中学校国語科における編集力を高める授業の開発に有効な知見を得ることを研究主題とする。

さて、この目的で研究を進めていく中で参考になった文献を紹介したいと思う。

本当に参考になった文献一覧
これらは、本当に参考になったものだけを厳選しています。
本格的な論文を書いてみようと思っている方、研究内容に関心のある人はぜひ目を通してみてください。
(論文に引用できなかったけど参考になったものを含む。どこを参考にしたらこんな論文になるんだ?!という突っ込みはさておき……)
手元にあるもの&覚えている内容だけで列挙したので、詳しくはググってみてください。

◎論文の書き方、質的データのまとめ方などで参考になった本
『留学生と日本人学生のためのレポート・論文表現ハンドブック』東京大学出版会
『これから研究を書く人のためのガイドブック』ひつじ書房
戸田山和久『論文の教室』NHKブックス
西條 剛央『ライブ講義・質的研究とは何か』新曜社
関口晴広『教育研究のための質的研究法講座』北大路書店
佐藤郁哉『質的データ分析法』新曜社

◎国語関係の修士・博士論文も、論文の書き方のモデルとして参考になった
池田修『中等教育におけるディベートの研究 -入門期の安定した指導法の開発
摺田誉美『「説得するために書く」作文指導のありかた』渓水社
貝田桃子『作文教材の開発に関する研究』渓水社
井口あずさ『中学生の意見文作成過程におけるメタ認知方略指導に関する研究』渓水社
町田守弘『サブカルチャー教材による国語科授業開発論――学習者の興味・関心喚起の方略を探る――』(博士論文、ネット上にあります)

◎現代のメディア状況などを知るために参考になったもの
梅棹忠夫『情報の文明学』中公文庫(1999)
秋山隆平『情報大爆発-コミュニケーション・デザインはどう変わるか』宣伝会議(2007)
スティーブン・ローゼンバウム (著), 監訳・解説:田中洋 (翻訳), 翻訳:野田牧人 (翻訳)『キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術』プレジデント社、 (2011)
佐々木俊尚『キュレーションの時代ー「つながり」の情報革命が始まる』ちくま新書
小林弘人『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』バジリコ、(2009)

◎編集についての文献
松岡正剛『知の編集工学』朝日新聞社、(1996)
松岡正剛『知の編集術』講談社現代新書 ほか、多数。
外山滋比古『エディターシップ』『新エディターシップ』『みすず書房
中俣暁生『編集進化論 editするのは誰か?』フィルムアート社
角田健司『創造の掟 情報空間の編集力学』勁草書房
西岡文彦『別冊宝島 編集の学校』JICC出版局
西岡文彦『編集的発想〈知とイメージをレイアウトする〉』JICC出版局
『これからのメディアをつくる編集デザイン』フィルムアート社
『一週間でマスター 編集をするための基礎メソッド』雷鳥社
菅付雅信『はじめての編集』アルテスパブリッシング、(2012)
日経デザイン (著, 編集), 工藤強勝 (監修, 監修)『編集デザインの教科書 第3版』 (日経デザイン別冊) 日本経済新聞出版、2008/
藤井大輔『「R25」のつくりかた』日本経済新聞出版社、(2009)
古賀勝利「国語能力としてのエディターシップ」「実践国語研究」2002年9・11月号、明治図書、(2002)

ああ、もっと読みたかった。