2014/12/06

何人くらいに理解してほしいの?? ~説明にはレンジがある~

今やっている研究内容で気づかされたことの一つは、説明には読み手のレンジ〈幅)への検討が必要だ言うことだ。
よく、読み手への意識のことを、「相手意識」という言葉でひとくくりにして語ってしまうが、その読み手の「幅」がどれくらいにするかという設定は案外いい加減だったりする。
たとえば、雑誌編集の現場では、どの程度の読者層の幅をターゲットにするかというのはとても重要な問題だ。ポピュラー路線で幅広い読者を相手にするか、マ ニアックな内容でコア層を相手にするか。そしてそのレンジによって当然表現内容も変わってくる。(言うまでもなく、どちらがいい悪いという話ではない)雑 誌編集とは「情報を共有するコミュニティーの創出」でもあるのだ。
そしてそのレンジの検討は、webによる情報発信の時代を迎えてさらに複雑さを増している。ロングテールなマーケットであれば、レンジについての戦略も自ずと違ってくるからだ。ニッチであることと、大きな網をはることとが両立しているのが今の言論状況だ。
リアルからヴァーチャル(何もをってというのはあるけど??)へのコミュニケーションの変質は、「だれへ」という意識から、「何人くらいの誰へ」という意識へと変質を迫っている。