2013/11/13

質的なものの見方とは、「なぜ……ができないんだろう」という問いから、「なぜ……をしているんだろう」という問いへと転換させることから始まる。

「なぜ……をしているんだろう」と考えることから、教師としての成長が始まるのではないか?

子どもは往々にして、教師の思い通りになんかには動かない。
そんなときに、「なぜ……ができないんだろう」とぼやいてばかりの人がいる。
しかし、「なぜ……ができないんだろう」という問いの根底には「……ができて当たり前だ」という無意識の前提が潜んでいる。
そういう、教師である自分の中の無意識の思考フレームを克服しない限りは、教師の子供観、子どもを見る力は更新していかないのではないか。

「なぜ……ができないんだろう」と考えるよりも「なぜ……をしているんだろう」と考える方が有益だ。
「なぜ……をしているんだろう」と考え、無意識のフレームとか、先入観を極力排除して、目の前の出来事を見るように努めることで、よりリアルな現象に迫ることができる。
(さらに言えば、無意識のフレームとか、先入観を「どうして教師である自分が持ってしまうのか」と自らに問うように務めることで)
そういう一つ一つの現象への見取りを積み重ねていき、そこから考察していくまなざしこそ「質的なものの見方」なのではないか。