2013/11/08

教育実習生に見られがちな「個に応じた指導」のジレンマ~私の机間指導論~

個に応じた指導をするための基本は「見る」こと、そして「待つ」ことだ。
実習生に授業をしてもらうと、「見る」「待つ」ということがあまりできていない傾向がある。
自分のペースで、生徒の反応も見ずにがんがん進めてしまったり、課題の内容が生徒に十分伝わっていないのに、それに気づかない状態のこともある。

そんな実習生には、次のように助言をしている。
指示をした後、全員が作業に取りかかっているかどうかを、まずはその場を動かずに、黒板に張り付いて全体の反応を見ること。
全体へのアセスメントができてから個別の指導に入るようにすること。
個別指導は「トリアージ」のように必ず優先順位を考えてすべし。

個別の指導をするためには、まずは全体をよく見て、誰がどのレベルでつまずいているのかをチェックすることが大前提だ。
実習生にありがちなのが、課題を指示した後にすぐに机間指導をはじめてしまうこと。
全体に課題が「入って」いるかどうかを確認せずに、個に向かってしまう。
机間指導にも「トリアージ」のように「救出」する順番がある。
まずは、他の生徒を邪魔する生徒を押さえ、
何をやるか課題内容がよくわかっていない生徒に対して、やるべきことを伝える。
こうして、全員を学習のレールに乗せる。
そのあとで、ちょっとアドバイスすれば自分ですいすいできるような生徒を先に指導してしまい、
最後にかなり指導しないとできるようにならない生徒にたっぷりと支援をする。
能力が高い生徒で、課題をすぐに終わらせた生徒には、発展的な課題を用意しておく。
このように、個を指導する時も、つねに全体とのバランスを考えて行動をしなければいけないのだ。