2013/11/08

校内研修・校外研修のそれぞれのメリットととるべき視点

教師の力量を高める研修の本来的な矛盾
・誰かが取り組んだすばらしい実践を、この自分ができるわけがない。
(教師の身体性とかキャラクターとかスタイルの壁)
・他の学校(クラス)で通用したすばらしい実践が、この学校(クラス)でできるわけはない。
(生徒の実態が共有できないという壁)
この2つをどのように乗り越えていくかが、研修の課題である。

校内研修のメリット・デメリット
よくとられている方法
校内で教材研究したり、授業を見あったり、特定の生徒について事例研究をしたりする。

メリット
・「生徒の実態が共有できないという壁」がほとんどない。お互いに実態を理解し、共有しているため、同じ生徒を前にした自分の授業や実践に生かしやすい。
・同僚生が高まり、協働意識が生まれる。
デメリット
・すぐれた先生や意欲が高い先生ばかりではない
・同一の教科や専門の先生が少ない
・そのため、学校の実態に即した研修はできるが、視野が狭くなる危険性もある。

校内研修でとるべき視点
生徒の実態を共有しているという強みを最大限に活用すべきだ。
たとえば、私が教えているこの生徒たちを、他の先生はどんなアプローチで攻めるんだろうか?
という視点で学んだり、
私が日々接しているこの生徒たちを、他の先生はどう観察し、どんな良いところを見つけているのだろうか?
という視点で生徒理解を深めたり、生徒の見方を学んだりするのである。

校外研修のメリット・デメリット
よくとられている方法
・講義式で最新の理論や情報を知る伝達型の研修
・優れた実践者の取り組みを知る研修
・自分の実践を振り返ったり、お互いに交流し合う研修

メリット
・いろいろな理論や、すぐれた先生のノウハウを学ぶことができる
・同一の教科や問題意識を持った人と交流することができる
デメリット
・自分の勤務する生徒の実態や、自分が取り組みたい問題意識が、必ずしも他の人と共有されているわけではないから、「どうせうちじゃあ無理だな……」とか「これは今自分には必要ないな」となってしまう
・研修内容が他人事になってしまったり、文科省の伝達講習のような形式的なものになってしまい、リアリティーを欠いてしまう。

校外研修でとるべき視点
・伝達型の研修は必要だろう。しかし、それ以上に必要かつ有効なのは、それぞれの先生方が知恵を集めるワークショップ型の研修だ。
すごい先生のやり方がそのまま自分に通用するとは限らない。
むしろ、いろいろな経験やスタイルやスキルを持った先生方の、いろいろな攻め口を交流し合い、シェアしていくことの方が有益なのではないか。
微細な授業スキル、教育方法、教育理念、そして教育観などを交流し合う場を設定する。
多様なスタイル、手法を交流し合う場を設定できればその中のいくつかは自分にもヒットするだろう。
とともに、自分の実践を他者に言語で表現することを通して、日常の実践をリフレクションする機会が得られるだろう。