2014/02/24

ミサ・ソレムニスを歌う

今日は一年間取り組んできた合唱の本番でした。
ベートーヴェン「荘厳ミサ(ミサ・ソレムニス)」という作品、80分以上ぶっ通し、立ちっぱなしで歌い続ける大曲です。(第九のテンションで一時間以上歌い続けるイメージかな)
それを千葉のプロオーケストラ、ニューフィル千葉と、常任指揮者の大井さんとともに取り組みました。合唱はもちろんアマチュアです。
ベートーヴェン畢生の大作、合唱曲の「エベレスト」にも喩えられるような、技術的にも、体力的にもキビシイ難物です。本番では、途中で倒れる人も想定して、看護師待機のコンサートでした。年配の方も多いので……。
昨日、今日のゲネプロと三回通して歌ったのでぐったりです。が、今や、心地よい疲労と、やり切った充実感、そして、一年間挑んできたこの作品を、もう、みんなで歌うことができないんだなあという切なさで満たされています。

「荘厳ミサ」の結末は平和へ賛歌。楽譜には「内なる平和と外なる平和への願い」というベートーヴェンの書き込みがされています。
大曲の終結は、
「我らに平和を与えたまえ」
(Dona nobis pacem)という歌詞で消え入るように閉じられます。
これが、最後に半音上がる、非常に不安定で中途半端な、不思議な終わり方をしているのです。人びとに平和を問いかけるような、そしてその投げかけがいつまでも続くような、そんな結末のようにも聴こえます。