2015/08/10

能力をより繊細に定義することができるか

授業研究は、面白い授業、効果的な授業について探るのは当たり前のことなんだけれども、それをもっと突き詰めていくと、どんな能力を取り上げるべきかという能力論に行き着く。
例えば「聞く力」について授業で取り上げるとして、それにはどんな能力があるか、ひとことで「聞く力」といっても、その中には無数の能力が埋め込まれているはずだ。
それの具体を一つ一つ取りだし、学習者にどの能力がついていて、どれが足りていないのか、「聞く力」のどんな系統が考えられるのかを繊細に捉えられているだろうか。こういう能力論に対する分析、考察は、系統主義だろうと、経験主義だろうと、どちらのスタンスに立つにせよ、およそ授業を考えていく際に避けることのできない不可欠な要素だ。
「学習指導要領に書いてあるから」も一つの根拠にはなりうるけど、それだけでは目の前の学習者をみとることはとうていできない。それでも学習指導要領はかなりよく書けているから(個人であれほどの系統性を立ててカリキュラムを作れる研究者はいないだろう)、それを参考にしつつも、よりかみ砕いて、より繊細に、授業ごとにカスタマイズしていくことが重要なのだろう。