2014/11/03

炎のチラチラ

現代社会、文明が排除したもの、それは炎のチラチラとしたゆらぎだろう。

子ども時代は庭で平気でたき火をすることができた。毎週外でゴミを燃やしていた。今だったらご近所から苦情がとんでくるだろう。
学生時代はたばこを吸っていたけど、それももうやめてしまった。
実家には仏壇があって、たまにろうそくを灯していたけど、所帯を持ったら仏壇の置き場所はなくなった。
台所のコンロこそIHではないが、威勢良く燃えるガスの火には、チラチラとした炎のあの情緒はない。
それでもよく、結婚当初はキャンピングに行ったものだった。
あのチラチラとした炎を何も考えずに見つめ合うのは、他のなにものにも変えがたい時間だった。
家の周りでは、夜、外を歩くと、クリスマスのギラギラとしたイルミネーションがまばゆく輝きはじめている。青色ダイオードのおかげで最近はうちの周りもディスニーランドみたいになってきた。
本当は、秋こそたき火が似合う季節なのに。
そろそろキャンプにでも行きたくなってきた。