2014/11/05

自分で自分のラベルを貼りたい

『悩む力』で登場する「ぺてるの家」はユニークな実践を行っている社会福祉法人だ。
この施設では、主に精神を病んでいる方々によって社会的な実践が取り組まれている。そのポリシーがとてもユニークなのだ。

【べてるの家の理念】
・三度の飯よりミーティング
・安心してサボれる職場づくり
・自分でつけよう自分の病気
・手を動かすより口を動かせ
・偏見差別大歓迎
・幻聴から幻聴さんへ
・場の力を信じる
・弱さを絆に
・べてるに染まれば商売繁盛
・弱さの情報公開
・公私混同大歓迎
・べてるに来れば病気が出る
・利益のないところを大切に
・勝手に治すな自分の病気
・そのまんまがいいみたい
・昇る人生から降りる人生へ
・苦労を取り戻す
・それで順調

たとえば、ぺてるの家のモットーの一つに「自分で付けよう自分の病気」という言葉がある。そこでは、精神を病んでいる当事者たちは自分で自分の病の名付けを行っている。(たとえば「逃亡失踪症」など)
しっくりとくる名前をあみ出し、名乗れることはそれだけ自分のことをとらえられ、語れる状態になっていることを表している。
これは何も病気を持っている方だけの問題ではない。私たち自身も、借り物のラベルではなく、自分で自分を名付けることができだろうか。
安易な名前や手軽なラベルがそこら中に転がっている。その安易さ、手軽さの誘惑を避けることができるか。そこが問題だ。