2015/02/21

自作自演がいまいちな不思議 〜作者でも分からない世界がある〜

ストラヴィンスキー、R.シュトラウスなど近現代の作曲家は、自作を自ら演奏する録音が残っていたりする。しかし、作曲家自身が演奏したからと言って、その演奏が「決定版」にはならないのが不思議なところだ。(むしろいまいちなものが多かったりする)
演奏技術など、いろいろな要素があるだろうが、作者が最高の解釈者ではない、というのはとても興味深い事実でもある。

国語の世界でも、教科書や問題集にとりあげられた作者自らが登場して、「この解釈はおかしい」「わたしはこれを表現したつもりじゃなかった」とおっしゃることがままあるが、それとても、「生み出した作者自身も、生まれ出た作品の『読者』であり、『解釈者』でしかない」という端的な事実を突きつけている。