2013/05/21

「メタ・ディスカッション法」試案


話し合いの授業がなかなかうまくいかない理由を実習生と話していました。
話し合いが盛り上がらないんです。
自分の意見を言い合ってといっても、固まってしまうんです。
何を言ったらいいか途方にくれるみたいです。
人間関係とかを気にして発言しづらいようです。
こんな悩みを出し合っている中で、「これはいけるかも」と思いついた画期的??な話し合いの方法が「メタディスカッション法」です。(一応ネーミングは思いっきりかっこよくしてみました)

手順はこんな感じです。
1、自分の意見を付箋に書く。(匿名で)
2、その意見をグループごとにまとめてミニホワイトボードに貼る。
3、ホワイトボードに貼った意見を、となりの班と交換する。
4、他の班の意見に対して、どれが最もよい意見か話し合う。
5、班で話し合った結果を発表する。

どうですか?
イメージができましたか?

このディスカッションは「句会方式の話し合い」とも「岡目八目ディスカッション」とも言います。
まず、俳句の「句会」のように匿名にして「誰が言ったか」というよりも「何を言っているか」に目を向けさせているのが工夫の一つです。
積極的に話すことが苦手な生徒も、書くことで自分を表現できる生徒もいます。キャラに合わない、まっとうな意見を書いている生徒がいたりという驚きもあったりします。
自分の意見を他の人がどのように感じているかを知るのはちょっとドキドキします。

また、自分の意見について意見し合うのではなく、他の人の意見について意見し合うのも工夫の一つです。
日本人の話し合いで最も苦手なのは、面と向かって相手の意見を否定しにくいということではないでしょうか。他人の意見だったら、あーだこーだ好き勝手に意見することができます。また、同じくらいの力を持った人の、さまざまな角度からの意見に触れることで、自分の思考が活性化するというメリットがあります。
さらには、「この人はなぜこんなふうに考えたんだろう」というメタレベルの話し合いができる可能性もあります。
(いうまでもなく、この「なぜこんなふうに考えたんだろう」という思考が、このメタディスカッションでは重要なポイントとなると思います。そしてグループで話し合った匿名の意見の根拠なり理由を、後で本人に確認するというのもよい学習になるのではと思います)
誤答も、正解も、適切な意見もそうでない意見も俎上に上がり、かつ、面と向かって批判的な意見を言い合うことで、お互いが傷つくことなく検討し合えるというメリットがあります。
「岡目八目」という言葉があるように、人の意見について意見する方が言いやすいという心理を利用しています。

今回は付箋で取り組んでいますが、とてもシンプルな方法なので、タブレットなどのICTの活用で、いくらでもこの話し合いの方法が応用可能だと思います。
なかなかいいとは思いませんか?
もう少しこの方法を練り上げていきたいと思っています。よろしければご意見を!
っていうか、先行実践とかはないのでしょうか?