2014/07/04

話し合いの達人になる「岡目八目法」

【岡目八目】(おかめはちもく)
〔人の碁をわきから見ていると、打っている人より八目も先まで手が読めるということから〕第三者は当事者よりも情勢が客観的によく判断できるということ。

先日同僚の先生が参観に行った、山形大附属中の授業の報告が興味深かった。(私は実際に見たわけではない)

あるテーマを巡って探索的な話し合いを進めていく。
話し合いのグループ4人でディスカッションしていくが、それに、もう4人が「観察者」として同じテーブルにつき、話し合いの様子をじっと見ている。
頃合いを見計らって、観察者の4人が、話し合いをモニタリングし、良い点、改善すべき点に気がついた状態でコメントを言う。

実はこの「観察者」は、前時で同じ話題について話し合いを行っている経験者でもある。だから、だいたいの話の進み方や落としどころのようなものを心得ている。どこで苦労するかも、つまずくか予想がつく。その仕掛けで、適切にモニタリングができ、助言ができるというわけだ。

・ここがこの話し合いのポイントだと思うから、司会者がしっかりと整理をしないと。
・この段階では、もう少し他の意見も出してから進めた方がいい。
・そのコメントでは話の筋からズレていると思うよ。
などなど、「経験者」の導きによって、どのように話し合いを進めていけばいいかをメタ認知しながら取り組むことができる。
言うまでのないことだが、この話し合いの学習は、話し合いをしている当事者よりも、観察者(モニタリングをしている人)になることのほうがずっとたくさんのことを学ぶことができる。話し合いをメタ認知し、話し合いを進める勘所を掴むのに有効な学習になるのではないかと思う。
ファシリテーションの「フィッシュボウル」法を、4人の小グループで、しかも同一の話題を話した経験者がモニタリングするというとこがこの話し合い活動のアレンジポイントだろうか。