2014/10/04

本を売らない本屋、本を貸さない図書館

最近は忙しくてすっかりご無沙汰してしまっているが、千葉市で勤めている間は、よく町の小さな本屋で開かれているこぢんまりした読書会に毎月顔を出していた。
その読書会の会場を提供している書店主のAさんはいつもこう言っていた。
「この本、図書館で探してみてくださいね……皆さんもっと図書館使ってくださいね」
本屋なのに、全く本を売ろうとしない「やる気がない」本屋さんなのだ。
正確にいえば、本を売るけど本を売る以外に本と出合うことを大切にしている。
そんな書店主のAさんを心から尊敬していることは言うまでもない。
一方、最近立て替えている千葉大の図書館。どんどん面白くなっている。「ラーニングコモンズ」としてかなりユニークな空間に変貌しつつある。
飲食、雑談、パソコンも可。書斎のような研究スペースも、わいわいグループで雑談するゾーンもある。アイパッドやノートパソコンも貸してくれる。ちょっとしたステージのようなものも。そしてなんと、本屋まで併設している???
ひとことでいえば「本を貸さない図書館」? これは言い過ぎだ。本を貸すんだけど、正確にいえば、本は貸すけど、本と出合う場を作り上げている図書館。
そんな千葉大の図書館、身近すぎてそれを実感しなかったけど、こういう大学図書館はなかなかないものみたいだ。増えてきているようだけど。