2014/10/03

規則正しいリズムは人間がこしらえたもの

よく子どもに行進をさせたり、手拍子をさせたりすると思ったほどリズムよく打てなかったりすることがある。
リズムよく拍子を刻むことは、実はかなり難しい。トレーニングが必要なものである。
これは、裏返せば自然にはメトロノームのような規則正しいリズムが存在しないことを表している。例えば、自然には完全な円や球体が存在しないように、波がいつも等間隔で押し寄せないように、刻むリズムも、どこかがアンバランスで、どこかが歪んでいるのがむしろ自然なのだ。
人がうたう歌と、機械が演奏する音楽との違いもひょっとしたらその辺にあるのかもしれない。
実はリズムという概念も、五線譜上の、西洋音楽のパラダイムのなかで存在する概念でもある。
例えば雅楽や能楽にはメトロノームのようなテンポは存在しない。そのときの間とか、気のようなものがあるだけだ。西洋音楽で言えば、休符の沈黙の中に、自然のテンポが隠されている。

……というのを高校時代、現代音楽の巨匠、武満徹の本から読んでものすごい衝撃を受けた。
武満徹といえばこれ、「ノヴェンバーステップス」だ。


むりやり教育の文脈にひきつけると……
「リズムとテンポ」のある授業って、ある意味不自然で、機械的で、非人間的のように感じられるのだ。まあ「リズムもテンポもない授業」が非能率的、機能的でないと言われればその通りなんだけど。
どうしたら人は機械のようではなく、人間として歌を歌えるのだろうか?