2014/10/25

サービスのジレンマ〜サービスの効果はあっという間に減衰する〜

コンビニの店員さんのちょっとしたサービス?が、最近どんどんエスカレートしている気がする。
万券で買ったときは、お釣りの千円札を一枚、二枚と目の前でカウントしてくれる。
小銭がジャラジャラしているときは、コインが手からこぼれても受け止められるように、手のひらを添えてくれる。
おにぎり買うとお手拭き入れてくれる。
毎回、会計の時に、「ティーポイントカードのご利用はございませんか?」とすかさずアドバイスしてくれる。……
しかし、もっと厄介なことに、一度こういうサービスに慣れてしまうと、次に同じ対応をしてくれないと不満に感じてしまうということだ。
サービスはあっと言う間に「当たり前」になり、有り難みが薄れてしまう。こんな私のような尊大なお客様がいる以上、ますます新たなサービスがあみだされていくのだろう。

サービスは「当たり前」になると「サービス」にはならない。なぜなら、通常の業務とみなされるから。
だから、「当たり前」にならない程度に「特別感」を提供し続けなければいけない。それがサービスのジレンマだ。
飽きられないサービスには、無限の「差異と反復」が営まれている。
「老舗」の持つ魅力は「何もしない」ことが生み出す豊かな「差異」だ。ほんとうは「何もしない」のではない。うなぎのタレをちびちび継ぎ足すように、一時たりとも変化を止めていない。しかし、お客にしてみれば「変わってない」という反復のイメージが、無限の意味を生み出すのだ。そしてそんなサービスこそ、お客様を尊大にしたり増長させたりしないサービスなのだろう。

もちろん、私にとっての最大の関心事は、教育における「サービス」のありかただ。
サービスとホスピタリティーとの違い、または茶の湯における「もてなし」など、時間があればそういった方面もそのうち勉強してみたい。