2014/10/02

試行錯誤をうながす連作課題~失敗、振り返り、再チャレンジンのスパイラルへ~

前任校の。伝説の美術教師Aさんは退職する晩年まで「連作課題」の研究に取り組まれていた。
連作課題とは、同じ題材の課題を数回繰り返し行い、その積み重ねのなかで子どもたちの試行錯誤を促す仕掛けになっている。
たとえば、版画だったら、最初は、はがき大の小規模な課題を共通して行い、次は自分で大きさや素材、技法を自由に選択してチャレンジしていく。こんな感じだ。
晩年の研究では、この「連作」をさまざまなパターンで研究されていた。小→大へ、短時間→長時間、制約→自由など。(A先生の研究紀要も毎年ほとんど変わらない「連作論文」であったというオチもおまけにつく)
いうまでもなく、この繰り返しのなかに子どもたちの自発的な学びの契機がいくつも含まれている。
よく、学びのスパイラルというが、そのスパイラルが子ども自身にも実感できてないと、あまり効果を発揮しないのではないかと思う。あたりまえだけど。
どうしても教師は短時間であれもこれもと「幕の内弁当」のように学習事項を詰め込んで「教えたつもり」になってしまう(←自分はいつもこのパターン……)。そして次の単元になるとまた新しいことに手を出して中途半端になってしまう。
やはり、じっくり腰を据えて、焦点を絞り、「連作課題」として繰り返し取り組ませ、そのたびに失敗させて、振り返らせて、再チャレンジさせていったほうが、結果的には力となっていくのではないかと最近感じてきた。