2014/10/13

道徳資料「江戸しぐさ」から垣間見える道徳教育の実情

文科省が全国の小学生に配布している資料に「江戸しぐさ」が掲載されているということが大きな話題となっている。
どうも「江戸しぐさ」は時代考証的にかなりまゆつば物らしいのだ。
私は「江戸しぐさ」が教材に取り入れられる過程そのものに、おとなが考える「道徳教育」の何とも言えない実情、実態がはらんでいるような気がしてならない。
・ちょっと調べれば真偽がわかるようなネタをなぜ取り入れるのか?
・何となく「本当にあったいい話」だから入れとけみたいなノリで掲載しちゃったんじゃないか?
・むしろ、この教材をおかしいなと思うような子はいないのだろうか?
子どもは「いちゃもん」が大好きだ。少しでも間違いを発見したら鬼の首を取ったように生き生きと喜ぶ。
大人だったら「それくらいでわやわや言うなよ」というくらいのピンポイントのところもすかさずに指摘をする。
そこが子どもの賢さであり、まっすぐな好奇心の表れなのだ。そしてそれが批判的思考力の萌芽ともなる。難癖やいちゃもんにとどまらずに、他者に向けて筋道を立てて説明できる論理性を身についたり、とことん追求する態度が持続したりするように仕向けていくことができれば、生涯発揮していくことのできる創造的な批判力となっていくのだろう。
しかし、どうやら、お国の考える「道徳教育」には「批判的思考力」の育成は含まれていないらしい。
誰か「江戸しぐさ」の資料を「真理愛」で取り上げてくれないかなあ。