2015/07/01

たいした考えもないくせに、難しい顔をするんじゃない!

難しい顔をしていたり、難しいことを言おうとすると、他の人から賢そうに見えるらしい。場を凍り付かせるネガティブな発言は、時に慎重で考えが深い人だというような印象を他の人に与えるようだ。
大学時代の恩師、斎藤孝先生は、そういう難しそうな表情や、ネガティブな志向を許さなかった。
「たいした考えもないくせに、難しい顔をしてるんじゃない」と。
そういう不機嫌な態度や生き方が、自分自身にも、他に対しても、いかに非生産的なものであるかいつも嘆いていた。
だから、斉藤先生の本に載っている顔写真は、いつもにこにこと笑っている。苦虫をかみつぶすような「知識人」っぽい写真は一つも無い。
ただし「そのままでいいんだよ」「バカですから」というような知的でないポジティブさは、それはそれで堅く戒められた。
「知性・認識においてはニヒリスト、意志においてはオプティミスト」が、斉藤ゼミの合い言葉だった。
ネガティブなだけのコメントや、難しい顔しかできないような心理状況のときは、そういう自分のつたなさを自覚することにしている。他の人に向けてネガティ ブなコメントや難しい顔をしてしまう人には、「たいした考えもなさそうな」うさんくささを感じてもいいんだと思うことにしている。
※『上機嫌の作法』は先生の本の中でも好きな一冊。