2015/07/10

強烈な「癖」かあるからマネしたくなる

今日の岡田斗司夫さんのメールマガジンは面白かった。
曰く、文章が上手くなりたいなら、いいなと思う文章を丸写ししてマネよ、真似る場合は、強烈な個性のあるやつを選べ、というもの。
モノマネだって、ビギナーはまず森進一さんからでしょう。強烈な癖のある人の方がマネしやすい。かえって月並みで優等生的なモデルは、モデルとして機能しないということなのだ。そういうものなのかもしれない。
文体で言えば「天声人語」みたいな、毒にも薬にもならない立派すぎる文章は、いくら書き写しても多分身にならない。やはり私にとっても、「こういう文体っていいな」と思うのは、どれも強烈な個性をもっている。森進一のハスキーボイスのような文体の「癖」に魅了されることで、知らず知らずにマネして、そのうちの0.001パーセントくらいは自分の身体に刷り込まれていくのだろう。
ちなみに、いいなと思う文体と、マネしたくなる文体は必ずしも一致しないけれども、マネしたくなる文体は坂口安吾、板倉聖宣、あと加藤典洋(「言語表現法講義」は「文体」に目覚めさせた一冊)。あと最近は茂木健一郎さんの文章も結構好きだったりする。
とくに安吾と板倉さんのは、雑誌の埋め草のようなコラムでも、内容なんかがなくても文体を眺めているだけで愉しくなってくる。こういう文体で書きたいって思うのはこのメンツだ。どれもが全然似てないところもまた面白い。