2015/07/25

聞き手は待ち手である。

誰かの話を聞く、話し合う。その時の聞き手は、単に話し手の話を聞き取り、吸収し、理解する、受動的な、スポンジのような主体として存在しているのではない。
より本質的に言えば、聞き手とは、「待ち手?」(待っている人)なのではないか。
この「待つ」には二つの意味がある。
一つは、他者からもたらされる新たな意味との出会いを、または、出会いという出来事そのものを待つ、「期待する」という意味だ。
もう一つは、他者との対話的な関係の中で、どのように自分が関与していくか、切り込んでいくか、その機会を「待機する」という意味だ。
だから、本当によく聞いている状態とは、他者との対話的な関係の中で、対話の力を信じ、「期待」と「待機」のある、待ち手としての存在となっているかどうかということなのだろう。