2015/07/04

「引き出す質問」を身につけるためには?

「質問」というと、通常は、自分がわからないことを、わかっている人に聞くことを指す。「質問」は自分の知りたいことを聞くものだ。
しかし、コーチング、ファシリテーションの「質問」は、相手(クライアント)のために、内省を促すために行われる。間違ってもコーチやカウンセラーが知りたいことを聞くのが目的ではない。その「質問」についての発想の転換が、イメージのない我々にはそもそも難しい。相手を引き出す問いはどうやって学ぶことができるのだろう。
何となく、相手にそういう質問を投げかけられるようになる前に、自分自身に問いかけるような、内省の習慣や意義の自覚がないと難しいような気もする。やりながらそれに気づくというのもあり得るか?
だから「引き出す問い」は、「オーブンクエスチョンがいいよ」とスキルとして提示することは、ある程度までは可能なんだろう。
しかし、より本質的には、相手の思考や発想に寄り添って、「これだったらどう?」と相手の文脈に補助線を引いたり、相手の自覚していないような発想(思い込み)を推測して、それにこちらからさぐりを入れてみるような、高度にメタ的な対話のやりとりだと考えるべきなんだろう。
そして、相手の見えない思考の枠やもろさに触れる(見たくないもの、触れたくないものも含む)リスクや覚悟を伴うものという意識がないと、ゆめゆめ危険なものかもしれない。