2013/04/21

メモ:評価を学習に生かす一つの方法


(1)評価が学習に生かす方法
授業(教育活動)は次のように行われることになっている。
計画P→実行D→評価S

しかし実際は
計画P→実行D
で終わってしまっている場合がほとんどだ。
やったらやりっ放し。
評価はしないか、しても次の学習に受け継がれないのだ。

理想は
計画P→実行D→評価S→次の計画P……
となることだろう。

いや、いっそのこと、次のような実践はどうか。
いきなり実行→評価(形成的評価・質的評価)
→計画→実行………評価(総括的評価・量的評価)
とりあえずやってみて、やってみた結果を評価(アセスメント)して、計画を立てるのだ。
このようなサイクルで回せば、評価を学習に生かすことができるだろう。

質的な評価と量的な評価とをうまく組み合わせることができればさらに効果的だろう。


(2)ミクロの目とマクロの目と
教育評価の研究者は、学力•能力の研究者でもある場合がほとんどだ。そしてその多くはカリキュラムの研究者でもある。
しかし、カリキュラムや評価を研究することで、即、毎日の授業が魅力的になるとは限らない。
(たいてい、評価や学力の研究をしている人の提案する授業はおそろしくつまらないことが多い)
反対に、毎日の授業が魅力的であろうと努力することが、評価やカリキュラムの改善には即つながらない。
ミクロの目とマクロの目と、評価•能力•カリキュラム研究と授業実践研究の相互乗り入れ、越境が必要だ。

(3)待ち受ける評価と追いかける評価

A 待ち受ける評価
授業を行う前にルーブリック(評価基準)などを設定しておいて、それにあてはめて測定する評価
メリット 確実、客観的・公平に力をみとることができる。
デメリット 評価基準に左右され、見ようとするものしか見られない
タイミングを揃えて一斉に評価できる。

B 追いかける評価
子どもの学びのあらわれを即時的に、臨機応変に受け止め、価値づける評価
メリット 柔軟に、実態に応じて複雑に生起する多様な力を見取ることができる
デメリット 学びの表れが偶発的なので、計画的に見取ることが難しい。固定観念や教師の信念に左右される。
オープンエンドの課題に適している。

(4)量的評価と質的評価

「量的評価」
100点満点のテストを作って、そこから減点していき判断する。
数値や記号による表現
設問を作る=分節化→合計点を出す=総合化の流れ。
※評価のポイントは妥当性・信頼性
 相対評価に便利
 異質なものを総合できるかどうかの吟味が必要。
(たとえば、描写がうまくて誤字がありまくりの作品を、誤字の数だけで作文力が低いと言えるのかどうか、など)

「質的評価」
いくつかの評価の観点を決めて(または決めないで)、それらの観点をもとにして学力の伸長を判断する。
記述表現が中心。
※評価のポイントは信憑性(リアリティー、説得力)
 個人内評価(個人の伸び)に便利
評価者の暗黙の前提や予断がないか、甘くなりすぎないか、常に評価者の省察が必要