2014/02/24

恐るべき子どもたち、恐るべきA幼稚園

研究室仲間のAさんが博士論文で取り上げた、あのA幼稚園に行ってきた。
写真や話では、そのすごさを聞いていた。
いつか見てみたいと思っていた。
が、行ってみたら、こんなにもすごい所だとは思わなかった。

教室ほどの広さの空間に、子どもたちが作った「街(つくしタウン)」ができている。
その「街」には、子どもたちが1年間かけて作った「お店」が広がっている。
子どもたちはグループを作り、木の板で屋台を組み、そこで本物そっくりの「お店」を作っていくのだ。いわば、壮大な「おみせやさんごっこ」の世界が広がっている。
この「つくしタウン」では通貨「ガバチョ」を持ち歩いて、お買い物を楽しむことができる。今日も、年少さんがたくさんこの街にやってきて大賑わいだった。

たとえば、今年の年長組の教室では、こんなお店が開かれている。
・つくし銀行(ATMなどあり。二階はミニ図書館)
・サーティーワンアイスクリーム(アイスやポップコーンを売る)
・マクドナルド(ドライブスルー完備!)
・着物やさん(着物はもちろん自作!)
・カメラのキタムラ(「スタジオマリオ」で実際に写真を撮って現像してくれる)
・映画館(子どもがiPadで撮影した映画「しゅりけんじゃーⅡ」が絶賛公開中)
・テレビ局(ゆるきゃら「つくっしー」ニュース、つくしZIP! スタジオパークの顔ハメ看板なども)
・つばめ研究所と鳥博物館(幼稚園中に、鳥のスタンプラリーコースがあり)
・広場には「ハッピーステージ」という舞台があり、「しゅりけんじゃーショー」や、きゃりーぱみゅぱみゅのような「プロジェクトマッピングショー」(子どもたちが着ている真っ白の服に、プロジェクターで画像を投影する)を公演している。もちろん、衣装を作るのも、プロジェクターや照明をやっているのも子どもたちだ)

どんな言葉を尽くしても、説明しきれない。
あの世界は実際に行って見て体験してみるしかない。
この「教育」をどう理解したらいいか、正直途方に暮れている。

園長先生は、こんな内容の話をしてくれた。
「うちの幼稚園では、積み木もレゴも置いていない。
ピアノで子どもの行動をコントロールをするようなこともほとんどしない。
教室の壁面に、模造紙や色紙で安っぽい飾り付けをしない。
クマやパンダのキャラクターで飾り付けるようなことはしない。
それよりも、テーブルに一輪の花を置いた方が、どれほど子どもの感性を育てるか。
「何して遊べばいいの?」と、大人に聞く、自分で遊べない子ども(人間)を作ってしまっている。そういう人間にしないために、この幼稚園が作られたのだ。」

※園長先生はとても気さくな方で、いつでも見学を受け入れているそうです。
興味がある方は、ご連絡ください。