2014/09/16

「夏の葬列」の表現のしかけを読む~「夏の葬列」の授業№3~

「夏の葬列」三時間目。
今日は、「夏の葬列」の細部の表現のしかけを読み解いていく学習を行った。

流れ
1 授業の主旨と、表現の細部を読み解く視点を提示する。
今回の授業は、自分で小説を書くために、教科書の小説を読みながら、その書き方の工夫を学ぶということ。
「神は細部に宿り給う」という言葉があるけど、「夏の葬列」という小説も細部を細かく読み解いていくことで作品の魅力に迫れる。作者がどんな工夫をしているか、読み解いていこう。

次のような方法と視点を提示した。

深読みのテクニック

  • 「     」とあるのは、……を表している。
  • 「     」はきっと……………を伝えたいんだろう。
  • 「     」は実は……………とも読み取れる。
  • 「     」という表現から………がイメージできる。
  • 「     」は………………を読者に仕掛けている。

などの言い方で、細部にわたる表現の意図と効果を深読みしていこう。

小説の仕掛けの視点

  • 「実は」のパターン
  • 謎(ミステリー)と解決
  • 文体・口調
  • キャラクター設定
  • 語り手は誰?
  • 言葉や記号の選択(名詞や動詞、形容詞、……などの記号)
  • 道具(なぜ芋畑なのか? おまんじゅう、運動靴など)
  • 人の呼び方
  • 気持ちの書き方
  • 風景の書き方(空の描写)
  • 五感を使った描写
  • 身体の描写
  • 色彩
  • 書かれているものと書かれていないもの
  • 余白・行間を読む
  • 伏線
  • 言葉のリズム
  • 比喩
  • 擬人法
  • 倒置法
  • 余韻(よいん)
  • 暗示
  • ストーリーとプロット
  • 起承転結(冒頭・発端・山場・頂点・結末)

2、役割読みをする
まずは肩慣らしで、4人グループで、二の場面と、四の場面を次の分担で役割読みをしていった。

二の場面 彼・ヒロ子さん・語り手・絶叫する男
四の場面 彼・語り手・彼のモノローグ・子ども

3、小説の表現のしかけを読む
そのまま4人グループで、付箋に書き出していった。
・読んでいくうちに「違和感」を感じた表現
・立ち止まって考えてみたいこと
・作者の工夫があると感じられる表現
などに着目して、付箋にどんどん意見を書き出させるようにさせた。

次回これらを発表して、学級で「小説のしかけ」を共有していこうと思っている。