2015/07/04

古いものは退屈だからよい

今日は出勤。
休日の京葉線はホリデー気分満載で場違い感満載だ。
こちらまで心が浮き立ってくる。
しかし今日は毎朝楽しみにしていることができない。
それは、毎朝、NHKFMの「古楽の楽しみ」(旧「朝のバロック」)を聞くことだ。
このラジオのおかげで、聞いたこともないような作品とか作曲家と出会うことができた。
クラシック音楽に限らず、日本なら雅楽や能、アジアや中東のものとか、古典芸能とか古いものはとにかく何でも好きだ。全然詳しくはないけど聴いてみようかな、見てみたいという気になる。
古いものの魅力は退屈なところだと思う。
テンポは悪いし、展開はまどろっこしい。劇的な起伏がそうあるわけではない。だけどこの古いものがもつ時間や世界に強制的に身を委ねさせられるのが気持ち良かったりする。
なかには時間が止まってるんじゃないの?と思わせるようなものある。謎めいた能の作品(「翁」みたいな)とか、ほとんど忘れかれられたような教会音楽とか。
そういう古いものを冷凍食品?を解凍するように味わっていると、こちらまで凍り、時間が止まってしまいそうになる。
古いものは「ただそこにあること」「あり続けること」のもつ存在の力をささやかに教えてくれる。