2015/04/24

「修学旅行で民泊」のメリット、デメリット

修学旅行で、現地の民家に泊まらせてもらうこと(民泊)が最近とても流行ってきているという。中学、高校はもとより、企業研修などでも民泊は取り入れられているそうだ。
民泊の受け入れ先にとっても、村おこしの観点で大変協力的に取り組んでいただいていることは間違いない。どのご家庭も、子どもたちを、「都会から訪れた孫」のように温かく、そして心を込めておもてなしをしてくれている。子どもたちの満足しきった表情からも、十分その成果を感じ取ることができた。(ついでに言うと、民泊先に子どもを預けてしまえば、日中は教員のやることはほとんどなくなる。)
そういうわけで、今後、様々な学校で、「修学旅行で民泊」のパターンは増えていくことだろうと推測する。
ただ、得るものと同時に失うものもあるのではないかと、ひねくれた私は考えてしまうのだ。
それは、子どもが完全に「お客さん」になってしまうのではないかということ。
受け入れ先のお家では「農作業の手伝い」や、紙すき、フラワーアレンジメント、お菓子作りのような体験プログラムを組んでくださってはいる。しかしそれとて(言葉は悪いけれども)中学生にできる範囲の「おままごと」をセッティングしてもらっているだけという見方もできる。
この、セッティングされたプログラムを選択する余地は、子どもたちにはない。受け入れ先の家に行くと、あれよあれよという間に、あてがわれた作業や体験を課せられ、それをやらせていただく。食べきれないほどのごちそうをいただき、そして満足して帰って行く。
それが悪いわけでも、成果がないとは決して思わないんだけれども、「修学旅行」の意義を考えたときに、本当にこれでいいのだろうかという思いが、私の硬い頭の片隅には浮かんできてしまう。