テキスト比較ツール「diff(デュフフ)」はなかなか面白い。
Oさんのコピペ論文騒動で話題になったこのテキスト比較ツール[diff」を国語の授業でも使ってみようと思う。
学習の概要
新書『生物と無生物のあいだ』のエピローグの部分と、そこからリライトした教科書教材「アオスジアゲハとトカゲの卵」の教材文を、diffを使って比較。
このツールを使えば、書き替えた部分が一目瞭然だ。
なぜ書き替えたか、そこに作者のどんな意図がうかがえるかを読み取っていく。
ごそっと削除しているエピソードもあるので、このエピソードは文章中でどのような役割を持っているのかなど気づいたことをどんどん話し合わせていきたい。
このdIffというツールはなかなか面白い。
そこで問題になるのが、教科書と、講談社現代新書というメディアの違いだ。
中学校国語教科書というメディアは、もちろん中学生を対象とし、説明文としての文章構造や新出漢字、語句を学ぶために編集されている。
一方、新書というメディアは、一般向けに、科学的な知見を素人でも読みやすく,わかりやすく表現している啓蒙書という特徴がある。同じ講談社でもブルーバックスと講談社現代新書では、ターゲットとする読者は異なる。講談社の新書と岩波新書でも微妙にトーンは異なる。
『生物と無生物のあいだ」と『アオスジアゲハとトカゲの卵」の表現を比較してその編集意図を理解するためには、教科書や「講談社現代新書」というメディアの特徴もある程度念頭に置く必要があるかもしれない。ある程度は予想させることがぐらいはできるか?(が、そこまでマニアックな議論は中学の国語授業ではほとんど不可能だろう)