で、早速帰省したときに、そのことを親父に話した、すぐに話に乗ってきた。
「あのキャベツのやつは食ったか?
チキンライスが美味いんだよな。
俺も昔は良く取引所の昼休みに行ってさ……」
親父は、日本橋にある証券会社に勤めていた。もちろん、とっくの昔に退職。日本橋に行くことももう無いだろう。
しかし、たいめいけんの話をきっかけに、当時の味を、記憶を蘇らせている。(一応、まだ頭は元気だ)
老舗レストランは、古典に似ている。
古典も、世代を超えたテキストとして、味わったもの同士で、共通の話題で語らうことができる。
そして、その古典に出会った当時の記憶をも、引き出すことができる。
もちろん、美味しい老舗レストランは何度訪れてもお客を満足させることができる。
いや、そういうお店こそが、老舗の名を戴くのだろう。