2013/09/23

放談 教員の資質向上のための方策、4つの方向性

教員の個人的な資質を向上させるための方策として、次の4つの方向性があるだろう。

1、やる気があって能力もある人への手立て
2、やる気はあるけど能力はいまいちの人への手立て
3、やる気は無いけど能力のある人への手立て
4、やる気も能力も無い人への手立て

このうち、一番重点的に取り組むべきものはどれか?
私は2だと思う。
やる気はあるけど能力が伸びていない要因、環境は何なのか? 
それらを分析し、着実に能力を養い、それが生かされるような対策をこそ講じるべきだ。
また、負担を軽くし、少ない負担の中で思う存分に活躍してもらうという方策もあるだろう。
たとえば、初任や経験が浅いうちは担任や主任などの仕事をなるべく与えないとか、小学校であれば担当する学年のサイクルを低・中・高のようにある程度固定し、狭い範囲で存分に教材研究をしてもらうというのはありうる。
自主的な勉強会や研修に気軽に参加できるような環境を作ることも必要だろう。
(出張をとって他校の授業を見に行くことができるとか、長期研修の機会を与えるとか)
一番力がつくのは、力のある先生にジプシーのようにくっついて学び、自分でも実践していくという方法だ。インターンの研修医制度みたいなものだ。
→このジプシー法については以前こちらに書いた

つぎに、3だろう。高い能力を持っているのだから、あとはやる気が生まれるような環境や条件を設定することが必要だ。
やる気が生まれない原因が何かによっても異なるけれども、一番の原因は、能力を持っていても評価されなかったり、お互いに足を引っ張り合ってしまうところにある気がする。
3については、やる気が生まれるように、校務分掌などで、その人の専門性を生かしたものにするようにしたり、自由度をあげることがよいかもしれない。
大学だったら科研費のような研究費を与えるとか、サバティカル休暇を与えるとかの方策があるけど、学校でどこまでそれができるか、やって効果があるかどうかはちょっとわからない。

1は、あるていどは放っておいても伸びていくものだろう??
むしろ1に照準を当てた対策(教員全員が能力もあり、やる気もあるはずだと見込んでのあれやこれやの対策)をするならば、悲惨な状況になるだろう。4も同じ。

つまり何が言いたいかというと、教員全員が能力が高いわけでも無いし、やる気に満ちあふれているわけでもないと言うこと。
人生で何よりも教職の仕事が重要という人もいるし、そこそこ仕事をして生活さえ出切ればという人だっている。どっちのタイプがいてもいい、多様であるべきだとさえ思う。
だから、それぞれの適性とか意志を生かすような、複線的な研修とか環境が設定されているということが重要なのだと思う。