2013/07/13

「分かりやすい文章」とは何か?

「分かりやすい文章」とは何か?
パソコンのマニュアルのように、「的確に」操作をナビゲートする「わかりやすさ」がある。
一方、薬の説明書や法律の条文、保険の約款のように、誤読の余地を極力排除し、「正確に」内容を伝えるという「わかりやすさ」もある。
前者の「わかりやすい文章」は、情報を絞り込み、順序や構造を意識してあっさり、シンプルに伝えることなどが求められる。
後者は、誤読の余地のない用語の厳密な仕様や、誤読を想定した幅広い視野からの(くどくどしい)説明を必要とする。(「電子レンジに猫を入れて温めないでください」のように)
両者とも目的に応じて適切に伝えるためには必要なことだ。
「分かりやすい文章」を書かせるという授業を提案する場合「分かりやすい」ということの内実を厳密に定義し、ターゲットを絞り込むことが必要だ。

ちなみに、以前「わかりやすさ」に関連して「不親切な文章」を書くことの原因について次のような拙文を書いているのを思い出した。→こちらの投稿

最近は、ネット上での文章表現でかなり多様な表現がなされるようになってきた。
リンクを張って、説明を構造的に示し、たどりながら読ませる。
注釈のためのリンクを張りめぐらす。
専門用語などの詳細な部分の説明は省き、各自で検索してもらうように促す。
ネット上の文章は、論文のような一直線の長ったらしい表現は嫌われる。
段落構造を持った重厚な文章よりも、箇条書きのように、フレーズが並んだ文章のほうが読んでもらいやすいともいわれる。
私も、論文などをネットにアップするときは、段落をくずして改行などを多用したり、一文を極力短くするように書き替えている。
ネットに長時間むかって同じ文章を読むというスタイルはどうやらなじまないらしい。(テレビとyoutubeの動画の長さの関係も同じ構造だ。YOUTUBEで一時間以上ある動画は、よほどの物好きでない限りまず見られない)
そのへんの、ネット時代における「分かりやすい」文章表現のあり方についても、今後は学習内容になってくるだろう。(そのまえに、自分がネットで分かりやすい文章を書けるようにならないと)