2013/07/31

「餃子のO将」に学ぶ、効率的な研修方法

たしか、あの中華料理屋「餃子のO将」だと思ったけど、なるほどと思う研修方法を聞いたことがある。

「餃子のO将」に行った人はわかると思うけど、あそこでは、毎月「今月のメニュー」というのが出ている。
あの「今月のメニュー」には、実は周到な戦略があるのだという。
というのは、あれは売り上げ向上だけでなく、店員さんのスキルを向上するためにもやっているというのだ。
「今月のメニュー」として安く提供すれば、当然その注文は殺到することになる。
同じメニューでたくさん注文が出れば、店員さんは、その一ヶ月は、何度も何度も、同じメニューのものを作り続けることになる。そうすれば、そのメニューを作るスキルが集中的に鍛えられるようになるというわけだ。
一月ごとに、集中的に同じメニューを作ることで、練習する機会も増え、得意料理のレパートリーとなっていく。
なかなか賢い方法だと思いませんか?

ただでさえメニューの多い中華料理屋だ。だから、当然、何でもそれなりに料理できないといけないだろう。しかし、特定の料理を集中的に作り続けることで、スキルをあげていくというのは一つの戦略的な研修方法であるといえそうだ。

さて、ここからが教師の話だけど、教師もある意味では「何でも屋」だ。授業も、学級も、部活動も生徒会も、それなりにできていないと一人前とはみなされない。国語の授業一つとっても、文学、説明文、作文、話す聞く、それぞれに膨大な授業スキルと見識が必要とされる。しかし、どれもがその場の勢いで手当たり次第にやっつけているだけでは、仕事に追われているだけで、スキルとしてはなかなか向上していきにくいのではないだろうか。
ある意味「今月のメニュー」のように特化して、自分なりの課題を設定して、一つ一つ学んでいくのが効率的な研修方法であると思うわけだ。

私自身のことを話すと、もともと国語の授業についてしっかりと勉強しようと思っていたので、毎年何となく「これを勉強しよう」というテーマや関心領域を決めて勉強を積み重ねてきた。
それらは地区の研修会や校内研修での研究授業など、何らかの発表をする機会とのタイアップが多かった。だから、一つ一つの機会にうまく便乗して、「今月のメニュー」のように毎年勉強する機会を得ることができたのはラッキーだった。
私の世代は、教員の層としては多くないので、今の若手の先生方よりはずっとそういう勉強の機会には恵まれていたといえるかも知れない。しかし、私はそれほど特殊な例というわけではないだろう。だれでもその気にさえなれば、自分なりにテーマを決めて発表するというのは難しくはないはずだ。