2014/09/14

プロ棋士はなぜ自分の差した手を覚えているか? あるいは、将棋指しが強くなる極意

昨日のフェイスブックでの将棋談義は興味深かった。
それは、プロ棋士がどのように上達していくかということについての気付きを得られたからだ。

プロ棋士は、対局が終わった後に「感想戦」を行う。それは、初手から最後の手まで駒を並べて、ああでもない、こうでもないと話し合いをすることを言う。
まるでビデオを再生するかのように、自分の手を正確に記憶し、それを語り直す。そう、まさに事後リフレクションをしているのだ。

まず、百手以上を正確に記憶していること自体が素人には驚きだ。そして、一手ずつ、ああでもないと語れるということも。
なぜ記憶できるのだろうか?それは、定跡のようなパターンがある程度頭にインプットされているというがまずあるだろう。その上で、パターンを踏み越えた一手、つまり「型破り」の一手の、迷いや意図などの思考をメタ認知し、暗黙知を言語化できているということなんだろう。
だから、なんとなく、偶然手が伸びたような一手を、まるで必然のように語り直すことができるのだ。
そういったリフレクションの反復をこなしていく棋士は熟達していくのだろう。