2014/09/15

実生活で必要な「聞く力」とは?

今日の催しでは、医療関係の職員の人材育成に携わる方と同じグループになった。
そこで、大変興味深いお話を伺うことができた。
「最近の若い人は、まともに電話をしたことがないんですよね」と、
そういえば、私自身、メールやラインなどを使うようになってから、電話での会話がめっきりと減った。教師でさえそうなんだから、ワカモノはもっとそうなんだろう。
で、電話での対応が全然できていないと言うことなのだ。
たとえば、体調が悪く、一刻も早くお医者に診てもらいたい患者さんがいるという。しかし、そういう窮状を聞いても、つっけんどんに
「今いっぱいです」「もう今日は終わりです」などど、信じられないくらい心ない返事をして、ひんしゅくを買ってしまっているというのだ。
もうちょっと聞き方や言い方があっていいものなんだけど、ワカモノにとっては「受け付けられません」という「情報」を正確に応答したつもりなんだろう。正確に応答はできても、相手のことを思いやって聞くような聞き方ができない。だから機械的に対応をしてしまうのだという。
そして、もっとやっかいなことは、こういう事は、いくらマニュアルを整備しても、ほとんど役に立たないと言うこと。ワカモノは、マニュアル以外の事態になると全く動けないのだ。言われたことはできるけど、言われたこと以上のことはできない。マニュアルは、職員をほとんど育てることはできない。
だから、悩んでしまっているそうなのだ。
結局どのように研修をしているのか。
トライアンドエラーを繰り返すことしかないというのがその方の結論。すぐに電話を替わってもらって、そのワカモノの目の前で対応をする。そしてどのように対応すればよいのかを
身をもって,モデルを示しているのだそうだ。
話されている言葉の「字面」だけの情報を理解するだけではなく、その言葉の響きとか、響きの底にある気持ち、見えない向こう側の状況まで受け止めて聞くこと。そんな「聞くこと」の学習が、ひょっとしたらこれからの社会で、今まで以上に必要とされているのかもしれない。
さて、こんな力を付ける「聞くこと」の学習をするとしたら、どうすればいいんだろうなあ。