2014/09/25

精読に耐えうる文学教材「夏の葬列」

今授業では小説「夏の葬列」の鑑賞に取り組んでいる。
もう何回もこの教材で子どもたちと学んでいるが、何度読んでもそのたびに発見をさせられる。一読して強く読者を惹きつける。そして読み込んでいくとタネも仕掛けもある表現の工夫に感嘆する。
いままではいわゆる「戦争教材」として、戦争のむごたらしさのようなものに焦点を当てて取り組むことが多かった。しかし今回はそのアプローチをとらずに、 表現の仕掛けにこだわって読み進めてきた。結局どちらのアプローチでも、子どもたちは、表現の工夫だけでなく、その根底にある作品の内容に自然に目が向い ていくのが面白い。
文学的文章は「詳細な読解」をしてはじめて見えてくる世界が確かにある。いや、そもそも詳細な読解に耐えられるようなテキストでなければ「文学教材」の名を冠するのはおこがましいとも言いたくなってくる。それほどまでにほれぼれするテキストが「夏の葬列」だ。