2015/06/18

生活言語と学習言語

実習生の授業2時間目。二人の実習生はそれぞれ文学教材を取り上げ、ゆるーくグループでディスカッションするスタイルの授業で展開している。
昨日の授業。グループディスカッションからのシェアリング。そこで、「これは新兵衛の死亡フラグが出て……」という生徒の発言が飛び出し、(私が)ひやひや?びっくりしてしまった。(菊池寛「形」)

しかしそこからの実習生のコメントがあざやかだった。
「……さんは、新兵衛が最後に死んでしまうという『伏線』をつかんだということですね」と。
ゆるーいディスカッションだと、生徒の話し合いは、限りなく日常の話し言葉に近づいてくる。つまりおしゃべりと見分けが付かなくなる。だから「死亡フラグ」とか「若侍ってイケメンだよね」という生活言語も飛び出してくる。
そういう生活言語を土台とした交流を、授業の中で実習生の二人は大切にしている。今日の授業でも、生徒がリラックスして、物語の世界で楽しんでいるのが良かったよね、と三人で振り返ったところだ。
「生活言語」によって表現される生徒のなまの気持ちをうまくすくい取って「学習言語」につなげようとしている実習生の姿勢に敬服させられた。