2015/06/05

こんな時代だから「こそ」文法って大事だよという話

今日は定期テスト前の最後の授業。
テスト範囲となっている付属語(助詞、助動詞)の問題をたんたんと解いていくという、なかなかつらい授業になってしまった。
助詞、助動詞って扱い方によってはとっても面白いんだけど、どうして文法の問題集ってくだらなすぎるんだろう。
問 次の空欄に入る助動詞を書きなさい。
昨日、カナリアが卵を産み(まし)(た)。
って、こんな問題、一体何の役に立つんだ?
何のための問題??
「文法」というかことばの機能に関する学習って、本当はもっともっとやっていかなければいけないんだろう。
昔は「文学的文章の詳細な読解」で、どこの教室でも文学的な表現を助詞の一語一語までこだわって考えさせてきたけど、最近は読者論とか「単元を貫く……」の隆盛であまりお目にかからなくなった。
そういう時代だからこそ、なおさらレトリックとかメディアリテラシーなどの観点で、助詞、助動詞などの精妙なニュアンスを掴んでいく「文法学習」の有効性があると思うんだけど……。

エピソード1
たとえば、国語教師の私でさえ、原稿を書いたら校閲の方から「てにおは」について間違いを指摘していただくことが多々ある。
「言葉はセンスだ」とうそぶかずに、助詞などの言い回しについてかっちりと学べていたら良かったのになあと痛感している。

エピソード2
また、あまり空気の読めない私は、ちょっとした助詞・助動詞の選択ミスで、相手にあらぬメッセージを伝え、失礼なことをしてしまうことも多々ある。
実は助詞、助動詞って、自然と自分の立ち位置を示したり、相手とコミュニケーションするための根幹を支えるものなのだ。
そういう言葉のおもしろさとおそろしさを、文法の学習でも(文法の学習でこそ)感じられるようになってくれるといいのだろう。※「も」「こそ」は副助詞!